一昨年、解散以来 22 年ぶりの復活劇を見せた伝説のバンド・kein(カイン)のニューEP が完成した。昨年リリースの 1st フルアルバム『破壊と想像』から約 1 年 3 ヶ月ぶり、バンドにとっては初のメジャー流通盤となる。 タイトル『PARADOXON DOLORIS』の“PARADOXON”はギリシャ語で「逆説、パラドックス」、“DOLORIS”はラテン語で「苦痛、悲しみ」の意味があり、『PARADOXONDOLORIS』を直訳すると「悲しみのパラドックス」となるが、タイトルを命名したボーカルの眞呼によると“善の中の悪”あるいは“悪の中の善”という、人間のパラドキシカルな側面がニュアンスとして込められているのだそうだ。 このタイトルが示す通り、今回収録された 5 曲はいずれも、傷み、苦しみ、絶望感に苛まれた人間の、狂おしいまでの魂の叫びがイメージされる。そしてそれらは、メンバーそれぞれの個性が発揮されたドライかつハードなサウンドにより昇華され、kein の持つ独自の美学、唯一無二の世界観を描いているのだ。まさに kein の存在感を世に示すのに相応しい一枚と言えよう。リリース以降はライブツアーも決定しており、彼らの動向にますます 目が離せない。