夢半球
前作『鏡の中のあなたへ』の反動からか、全曲が組曲になっているコンセプチュアルなアルバム。A面のオープニング「扉」はAM1:00からスタートする夜サイド。B面の朝サイドはAM10:07で幕を閉じるという設定のアルバム。前作同様、暗い谷山浩子なわけだが、あまりにも暗すぎて、本人いわく「暗さのテンション」が高いのだそう(笑)。個人的には80年代に頭をもたげてくる「黒谷山」の世界にはない世界だけにオススメしたい1枚。暗さの中にグルーヴィーなノリを感じるアレンジが素晴らしい。デジタル時代になるとシンセサイザーの打ち込みが主流になってくるので、この時代のスタジオミュージシャンによるサウンドがとても新鮮に聴こえてくる。ジャケットの上野紀子のイラストが素晴らしい。ジャケットだけでも所有していたい。