Sim City
初めて訪れたタイ王国およびそこで出会ったSP-2(後天的に性アイデンティティを獲得した女性)たちから受けたカルチャー・ショックによって生まれた記念碑的作品。 タイに触発された世界観やSP-2が体現する元型像は、現在に至るまで平沢進の活動に決定的な影響を与えることとなる。 タイトルはバンコクの街並みに対する「シミュレートされた都市」という発想からで、無意識の領域が仮想空間としてのバンコクへ持ち込まれている。 制作当初は前作『AURORA』の延長線上にあるサウンドで「月の裏側」をテーマにした作品にする予定で曲作りを進めていたため、結果的に従来の作風とアジアン・サウンドの平沢的解釈が混在するヴァラエティ豊かなアルバムとなった。