前衛歌劇団 イデア座 ~人殺しヴィレッジ~ side:idea
人郷離れた40名程度の人々が住む村。 その村は昔から村人たちによる争いが絶えなかった。 村の中心には井戸があり、彼らはそれを配給制にすることで辛うじて均衡を保っていた。 しかし村人たちはいつしか2つの勢力に分かれ、日常的に井戸を巡って小競り合いが繰り 返されるようになって行った。 村外れには少し風変わりな博士が息子とひっそり、争いを避けるように暮らしていた。 ある晩、博士が高熱を出して倒れた。 心配した息子は博士を看病するため、村の井戸へ水を汲みに行った。 村には厳しい掟があった。 “村の井戸を無断で使用した者は、その場で銃殺の刑に処す” 翌日の夜、目を覚ました博士はいつまで経っても帰らない息子を捜しに家を出た。