Sublimation

Sublimation

新生豐住芳三郎ユニットは、スタ一ト地点である本作品からして恐ろしいポテンシャルを持って登場した事になる。バク一プレイによる栾曲のキャラクタライズはフリ一ジャズの遺伝子であり、音色による階層化によるアンサンプル構築は現代音楽の肝である。そしてそれらの要素を内包した上で音楽を成立させているのが「インプロヴィゼ一ション」というこの音楽の美学/哲学である。「音楽とはその本質からして、芸術性を増すほどに模做から離れる」というシャパノンの言葉がある。クラシックやジャズに限らず、日本で聞かれる音楽の多くが様式化して大家模做主義に陷っていく中、本作 ISUBLIMATION』体芸術音楽の最終形態に位置する音楽ではないかと思う程のオリジナリティを持っている。そしてそれはその音楽の自由さに起因するのではなく、普遍性や卓越した技術を前提に成り立つ。音楽マスタ一でない人間がひとりでも加われば脆くも崩れ去ってしまいそうな、張りつめた糸の上で成立しているような音楽。この作品は「頭で考え/未熟な演奏技術を補うためにノ芸術論によって聽衆を煙に卷く」事でしている存命している堕落した現代日本の稚拙なアヴアンギャルドを葬り、日本フリ一ジャズから直接つながる演奏主導型の芸術音楽の正しき道を明示している。 このカルテットが、いま完成しつつある 「フリ一・インプログィゼ一ション」 という音楽を代表するグル一プのひとつになる事は勿論、「フリ一・インプロツィゼション」 という言葉からもすり抜けていくような、高度に普遍的な理念の現象化を果たした存在である事も間違いないだろう。老境に差しかかった天才ドラマ一が到達した、この遠大なる境地。

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